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眞由真は器用に、千華代を立ち上がらせる隙を与えず、部屋の隅まで連れてきた。千華代は漸く一息ついたが、目の前には、まるでドラキュラでも入っていそうな棺桶がそこにはあった。
眞由真がその扉を開く。
「うぅーっ!?」
千華代は悲鳴をあげた。まるでミミズで溢れているかのような気がした。箱の中も、扉の裏にも人差し指ぐらいの何かがビッシリと起立し、じょうじょと身を震わせていたのだ。歯ブラシの毛先がうねっていると、誰しも驚くに違いあるまい。だが、千華代が感じたのはもっと絶望的な恐怖だった。
「貴女はココで眠るの。ちかタンのベッドよ みんなココで寝て、わたしのモノになったの」
慄く千華代に、眞由真は彼女の肩を抱いて、耳元で囁いた。冷たい息だ。息は首筋をすっと撫でる。キッと千華代は睨みつけたが、その顔は首でも締められたかのように真っ青になっていた。
「もうお休みの時間よ」
そんな千華代の腹に、眞由真は蹴りを入れた。少女とは思えないほどの重いキックだった。千華代の身体はごろりと、絶望の淵に転げ落ちた。間髪をおかず、眞由真はパタリと扉を閉めた。
「イヤァ―――――――――っツ!」
千華代は背中に感じた
だが、扉はびくともしない。少しの光も入らない。音も無い。自分の臭いが充満する。そして千華代の身体に張り付いてくる全くの不快感。
「ヒィッ!」
うねうねと無数の触手は無作法にも、無遠慮にも千華代の身体を嘗め回した。腋を抉るように、もぐりこんでくる。両手が自然と上に上がってしまった。指の股にも、首筋にも、凹んでいるところには何処にでも、隙間というものを厭うかの如くビッシリと敷き詰められた。
「ちかタンってちょっと生意気そうだから、じっくり調教してあげるね」
「ちょっ!? 調教? 何よそれ!」
急に響いた眞由真の声に、千華代は反射的に返事をしていた。
「私のことだけ考えてくれればいいから。他はいらなくするの」
眞由真の言葉に千華代は混乱した。調教など、金持ちである自分らの特権だと思っていた。だが、今おかれている状況は全くの逆。こんな小娘に自分が屈しているなんて想像できなかった。だが、それは今起こっている事実であり、紛れも無く現実だった。
「ど…どういうことよ―――クッ!?」
千華代は次の言葉を継げなかった。へこんでいた乳首をグリグリと突付かれていたのだが、それが起立し始めたので乳首と乳房の間へと触手はまとわりついていた。女の中でとても感じる部分だ。むにむにと形を変えつづける大きなプリンは右も左もまったく別の動きで責められていた。彼女のプリプリした臀部も、胸と同じぐらい執拗な攻撃がなされている。
「フン…フン……ンン………ン………」
息が荒くなる。体中を撫でまわす触手たちは決して深くは入らなかった。表面からの距離が限られているからだろう。千華代は執拗さと物足りなさの両方を感じていた。彼女の下の膨らみへのタッチはその面積は全身に比べると非常に小さな部分であるが、最も小さな突起に触手が触れるたびに、小さな門が開閉し、その泉の水をたらしてしまう。子宮が、どくどくと波を打ち始め。千華代は淫魔に弄られていた感覚を思い出した。
―漏れちゃう―
千華代の心に、次第にエロティックな感覚が広がっていく。体に染み付けられた淫乱さに再び火がついてしまう。自然と、不快が快に変っていく。油を染み込ませた脱脂綿が一瞬で燃え広がるように、彼女の中にスイッチが切り替わる。触感はドミノが倒れるように性感へと倒れこんでいく。
「はう… はあ… ふん…」
思わず、足を開く。拒んでいた分、多くの触手たちが秘めていた部分へと到達する。
「あうう…うぐっ」
気持ちよさにだらしなく口が開いてしまうと、咥内にも触手が進入しようとするので慌てて口を閉じる。口はまだガードが利くが、耳たぶや耳の中は無防備だ。ゾクゾクする感覚が広がっていた。
「ン… ンー…… うん……」
体が揺れる。揺らされている。自分では律する事の出来ない何かが目覚めてしまう。自分の身体なのに自分の意思が通じず、自分以外の存在によって操られてしまう。
「くうっ…!?」
千華代は快感なのか何なのか判らない状態の中に落ち込んでいった。
第3章より抜粋
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